Ri.Night Ⅱ


背中に突き刺さる殺気は他の誰でもない、隣にいる総長様からで。


此処に居たら睨み殺される。


そう思ったあたしは、「煌!席替えぷりーず!」と知らん顔を決め込んでる煌に助けを求めた。


「発音わるっ!ってか自業自得だろうが!」


はぁ?何が自業自得なんだよ!あたし何もしてないし!

っていうか、発音なんかどうでもいいし!


こうなったら壱さんに助けを求めるしかない。


「壱さん!」


壱さんならあの大魔王を鎮めてくれる筈。



「……ぷ。あははははは!」


「い、壱さん?」



え、どうしたの?

何か笑う要素あったっけ?


突然爆笑し始めた壱さんに目を真ん丸にして驚くあたし。



「……はは。十夜上手いこといったのに余裕ないね」


「お、オイ、壱!」


「上手いこと?」


「………チッ」



キラキラスマイルの壱さんと何故か焦り始める煌。


それを見て首を傾げるあたしの隣からは十夜の舌打ちが聞こえてきて、頭の中はハテナだらけ。


「え?まだ?」


更に意味の分かんない事を言った壱さんに疑問は深まって。


一体何の話をしているんだろう?と目配せしている壱さんと煌を交互に見た。



「……後で話す」


後で話す?何それ!


「ちょっと!あたしだけ除け者にしないでよ!」


意味深な事を言うだけ言って目を瞑ってしった十夜に、むぅと頬を膨らませる。


「オイ、お前のスマホ鳴ったぞ」

「え、スマホ?」


鳴ったっけ?


鞄からスマホを取り出せば、画面に表示されているのは某アプリのメッセージ通知。


「って、彼方じゃん」


送信者は彼方で。

メッセージをクリックすると、鳥肌が立つような文章が綴られていた。



「“りっちゃん、お目覚めはいかが?また肩貸してあげるからね!りっちゃんの寝顔可愛かった(ハート)”」


って何コレ!?

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