Ri.Night Ⅱ
うーん。彼方に返事かぁ……。
「んーと、か・な・た・ウ・ザ・い」
よし、これでOKっと。
「お前、それ酷くね?彼方可哀想~」
じとっとした目であたしを責める煌にムッと口を尖らせる。
はぁ?全然酷くないし!
これはね、一種の愛情表現なのよ!
それに、彼方はこれで喜んでるんだからいいの!
「っていうか、彼方だけじゃなくて煌から同じメールきても【ウザい】って送ってるから」
「は?俺とアイツを一緒にすんなよ」
「はい?ってか、そっちの方が酷くない!?」
あたしより煌の方がヒドイ事言ってるんですけど!
「まぁまぁまぁ。二人共、彼方がウザいのは分かったから。ホラ、学校着いたし降りよう?十夜!お前も起きろよ!」
いつの間にかいつもの駐車場に着いていたらしく、エンジンを切った壱さんが困った顔で宥めてきた。
っていうか十夜寝てたの?
どうりで殺気感じないと思った。
煌の頭に一発食らわせて振り返れば、十夜からはさっきの不機嫌オーラが消えていて、いつものように腕を組んで寝ていた。
「十夜?着いたよ?」
座席に両手をついて顔を覗き込んでみるけど反応は無し。
そんなことをしている内に、壱さんと煌は先に降りて歩いて行ってしまった。
「ホント、いつもよく寝るよねー」
「誰のせいだと思ってんだよ」
「ぅぎゃっ!」
びっくりした!
まさかボソッと呟いた言葉に返事されると思ってなかったら過剰に反応してしまった。