Ri.Night Ⅱ

「あれ?そう言えば西上は?」


「委員会ー」


「あー。いつも大変だなー。凛音なら絶対面倒臭いって言ってんぜ」


「うん。絶対言ってると思う」


よく分かってるね、陽きゅん。

凛音ちゃん嬉しいぞ。



陽の腕に抱き着いて、並んで教室を出る。



「ん」


階段まで来るといつものように手を差し出され、その手をぎゅっと握り締めて階段を下りていく。


って。


「……あれ?」

「ん?」


校舎を出た所で気付いた。


「陽、駐輪場ってどこ?」

「駐輪場?なんで?」


なんでって……。


「バイク、貸してくれるんでしょ?」


え、もしかして貸してくれないの?


「あれ、言ってなかったっけ?待ち合わせ変更したって。あそこ目立つから昼休憩の内に駐車場に移動しておいたんだ」


「あ、な~る」


言われてみればそうだよね。駐輪場って目立つもんね。


陽とは毎日一緒に居るけど、一応あたしは鳳皇と関わり無い事になっているし、十夜と一緒に居る所を見られたらマズイ。



「って言うか、駐輪場って何処にあるの?」

「は?知らねぇのかよ!?」

「うん」


だって、陽とはいつも校門前で別れるもん。

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