Ri.Night Ⅱ
「駐輪場はあっちだよ。裏門の方。二年の校舎とインテリア科の校舎の間にある」
「へぇー、裏門の方……って、裏門!?」
裏門という言葉で思い出したのは“白い封筒”の存在。
ヤッバイ!忘れてた!
十夜との放課後デートの事ばかり考えてて、呼び出された事なんかすっかり忘れてたよ!
「凛音?どうした?」
立ち止まったあたしを不思議そうに見る陽。
「え?あ、いや……」
なんて答えたらいいんだろう。
これって陽に言っても大丈夫なんだろうか。
いや、でも、言わなきゃ行けないし。でも、言ったら絶対止められるだろうし。
どうしたら……。
「凛音?」
「あ、いや……」
何も言わないでいると、陽が俯いてるあたしの頬を両手で包み込んで無理矢理上を向かせた。
「凛音?何かあんのか?」
探るようにジッとあたしを見つめる陽。
「あ、陽、あたし用事あるから先行っててくれない?」
追い詰められて咄嗟に出てきた言葉は何とも言えない陳腐な理由で。
こんな理由じゃ絶対に納得してくれる訳ないと思ったけど、他に良い理由が思いつかなかった。
「用事?」
「うん。先生んとこ行かなきゃいけないの忘れちゃってて」
さも今思い出したかの様に鞄をゴソゴソと探る。
「………」
明らかにおかしいあたしの行動を黙って見ている陽。
お願い!“聞きたいこと”っていうのが気になるから行きたいの!