Ri.Night Ⅱ
そう強く願ったけど叶わず、陽の口から出たのはNOの言葉だった。
「凛音、何か隠してるだろ?どこ行く気だよ」
「え、えーと……先生とこ?」
無理だと分かっていたけど、もう一度だけトライしてみる。
「凛音」
けど、やっぱり駄目だった。
これ以上嘘をつくと陽きゅんが怒るから、大人しく観念する事にした。
鞄の中から“白い封筒”を取り出して陽に差し出す。
「これ?」
あたしから受け取った“白い封筒”を見ながら首を傾げる陽。
まぁ、分からないのも無理はない。
あたし達からすれば“あの件”はとっくの昔に終わった事なのだから。
現に、あたしもこの“白い封筒”を見た時は信じられなかった。
「それ、女達に喧嘩売られた時机に入ってた手紙と全く同じモノなんだよね。今日の朝、机に入ってた」
「は!?女達って……それってまさか前、凛音をイジメてた奴等の事か?」
「そう」
「マジかよ……」
信じられないという表情で封筒を開ける陽。
そりゃビックリするよね。ホント今更だし。
一体何がしたいんだか。
「言いたい事?って何だ?」
「さぁ?でもそんな事書いてたら気になるでしょ?放課後デートの事で頭一杯になってすっかり忘れてたんだけど、思い出したらやっぱり気になっちゃって。だから、裏門に行って話ししようかと思ってんだよね」
「は?」
「陽は駐車場に行っといてくれる?すぐ行くから。十夜達には適当に言っておいて」
「は!?何言ってんだよ!凛音だけ行かせれる訳ねぇだろ!?また何かされたらどーすんだよ!!」