Ri.Night Ⅱ


「だって“一人で来い”って書いてあるもん」


そう言って手紙を指差すと、「馬鹿か!」とデコピンされた。


「そんなもん馬鹿正直にしなくていいんだよ!」

「……じゃあどうすんの?」


行くなってこと?


「俺も一緒に行く!!」

「は?」



今、なんて?


聞き間違えかと思って首をコテンと傾げれば、ムッと眉を顰めた陽きゅん。


「だーかーら!俺も一緒に行くって!」

「えっ、陽も行くの!?」

「おう!」


どうやら聞き間違いじゃなかったらしい。


「いや、そりゃ陽が来てくれたら頼もしいけどさ。十夜どうすんの?」

「…………」



忘れてたのね。

しまった、と慌てふためく陽にガックリ肩を落とすあたし。


「十夜、まだ煌と一緒だよね?壱さんには悪いけど煌に相手してて貰おう」


「うーん……、それはいいけどさ。遅れる理由なんて言うんだよ」


「しょ、正直に言うとか?」


「え、マジで?」


「それはヤバいだろ」、と呟く陽に「だよね~」と項垂れる。


あの二人が大人しくOKを出す訳がないよね。

それどころか、下手したらあの二人が乗り込んで行きそうだし。

うん。それだけは絶対に避けなければ。

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