Ri.Night Ⅱ
────…
「隊長!」
「何だね、陽くん」
「敵を発見しました!」
「うむ、よくやった!どれどれ……」
校舎の壁にへばりつき、頭だけヒョコッと出して裏門の方を窺う陽隊員。
その陽隊員の両肩を後ろから掴み、同じ様に頭をヒョコッと出したあたしは敵の姿を確認しようと目を凝らした。
敵確認、敵確認……っと。
……ん?
んんんんん?
裏門の近くに居る敵を目を凝らしてジッと見るけれど、どう見ても前の女達ではない。
「あの女達じゃない?」
「は?」
うん、絶対あの三人じゃない。
あたし、目だけは良いから見間違えじゃない筈。
だって、あの女達はもっとケバかったし。
じゃあ、
「あの女達は誰?」
「あの女達は誰だ?」
陽と声が被り、同時に顔を見合わせる。
あれ?呼び出し場所間違えた?
そう思って、もう一度手紙を見直す。
けど、書いてあるのはやっぱり“裏門”で。
「アイツ等じゃねぇの?」
「うん」
そう言えばあの時、陽居なかったんだっけ。
だから女達の事知らないんだ。
「もしかしてたまたま居合わせただけで関係ねぇ奴等なのかもよ?」
「あー」
有り得る。
「どーする?先行って待っとく?」
「うーん。仕方ないよね。時間ないし待っとこっか」
同時に頷いて、手を繋いで裏門に向かう。
「ねぇ、陽」
数メートル進んだ所で繋いだ手を引っ張り、立ち止まった。
「ん?」
立ち止まった陽が不思議そうな顔であたしを見てくる。