Ri.Night Ⅱ
「巻き込んで、ごめんね?」
「へ?」
「迷惑かけてごめん」
あたしって迷惑かけてばかりだよね。
出会った時からずっと皆に迷惑かけてるような気がする。
「バーカ!」
「いたっ!」
しゅんと落ち込んでいると、不意におでこに走った小さな痛み。
おでこを押さえながら顔を上げれば、陽が口を尖らせてあたしを睨んでいた。
「凛音のバーカバーカバーカ!俺が凛音を助けるのは当たり前だろ!凛音は俺のクラスメートで仲間で親友なんだから!」
「陽……」
「凛音だって逆の立場だったら助けてくれるだろ!?」
「……うん」
「そういうことだ!」
「陽……」
ニカッと笑った陽につられて笑みが零れる。
「ありがと、陽。あたしも同じ事思ってるから」
「凛音は俺の事大好きだからなー」
「うん、大好き!」
陽、本当にありがとう。
あたしも陽の事親友だと思ってるから。
ううん、陽だけじゃない。
十夜も煌も彼方も壱さんも、皆仲間だと思ってる。
皆はあたしにとってかけがえのない存在だよ。
「陽、もし陽に何かあったらあたしが絶対助けてあげるからね!」
「おう。期待せずに待ってるわ」
「もう、陽!」
「にゃははは。よーし、早く行こうぜ!」
再び手を繋いだあたし達は「レッツゴー!」と手を上げて裏門に向かって歩き出した。
──ねぇ、陽。
あたし、陽に何かあったら絶対助けに行くからね?
絶対に助け出してみせるから。