Ri.Night Ⅱ






裏門へ近付いて行くと、女達は直ぐにあたし達の存在に気が付いた。


「凛音」

「うん」


陽も確信したようだ。


あたしを呼び出たのはこの三人で間違いないと。


っていうか、何でこの女達が“手紙”の事を知っているのだろう。

まさかあの女達の共犯者とか?






「──お前等が凛音を呼び出したのか?」



沈黙を破ってそう問い掛けたのは、女達ではなく隣に居る陽で。


普段とは違うその声色にチラリ、横目で陽を見上げた。


陽……。


横顔でも分かる陽の怒り。


けれど、そんな陽を見ても女達は怯む事はなく睨み付けてきた。


「“一人で”って書いた筈だけど?」


陽ではなくあたしに向けられたその言葉。


一歩前へ出たロングヘアの女は目を細め、ゆったりと首を傾げて見せた。


「それに応じるって言ってない」


同様に一歩前へ出たあたしは対抗するように睨み付ける。



「………」

「………」


おかしい。

何でこの女はこんなに余裕なんだろう?

近くに“鳳皇”の陽がいるのに何でそんなに余裕でいられるの?


普通の女だったら絶対ビビるのに。



陽が恐そうに見えないから?


それは考えられるけど、でも、この女達があの女達と共犯だったとしたら、前にされた事も知っている筈。



「まぁ良いけど」


あたしを見てクスッと小さく笑った女は、隣に居る陽へと視線を移した。


「宮原くんもお守り大変ねぇ?」


近付いてきた女が陽の腕にそっと抱きつく。

< 270 / 348 >

この作品をシェア

pagetop