Ri.Night Ⅱ
裏門へ近付いて行くと、女達は直ぐにあたし達の存在に気が付いた。
「凛音」
「うん」
陽も確信したようだ。
あたしを呼び出たのはこの三人で間違いないと。
っていうか、何でこの女達が“手紙”の事を知っているのだろう。
まさかあの女達の共犯者とか?
「──お前等が凛音を呼び出したのか?」
沈黙を破ってそう問い掛けたのは、女達ではなく隣に居る陽で。
普段とは違うその声色にチラリ、横目で陽を見上げた。
陽……。
横顔でも分かる陽の怒り。
けれど、そんな陽を見ても女達は怯む事はなく睨み付けてきた。
「“一人で”って書いた筈だけど?」
陽ではなくあたしに向けられたその言葉。
一歩前へ出たロングヘアの女は目を細め、ゆったりと首を傾げて見せた。
「それに応じるって言ってない」
同様に一歩前へ出たあたしは対抗するように睨み付ける。
「………」
「………」
おかしい。
何でこの女はこんなに余裕なんだろう?
近くに“鳳皇”の陽がいるのに何でそんなに余裕でいられるの?
普通の女だったら絶対ビビるのに。
陽が恐そうに見えないから?
それは考えられるけど、でも、この女達があの女達と共犯だったとしたら、前にされた事も知っている筈。
「まぁ良いけど」
あたしを見てクスッと小さく笑った女は、隣に居る陽へと視線を移した。
「宮原くんもお守り大変ねぇ?」
近付いてきた女が陽の腕にそっと抱きつく。