Ri.Night Ⅱ
36.真実
────…
「コラー!!此処から出せー!!」
これでもかっていうぐらい大声で叫びながら、部屋のドア蹴りまくること早五分。
いくら体力が有り余ってると言っても、ずっと蹴りっぱなしっていうのは流石に疲れてきて、休憩しよう、とその場に腰を下ろした。
くっそー!手さえ縛られてなきゃどうにか出来たのに!
まだ目が覚めて十分も経っていないのに、早くもバテバテなあたし。
はぁ……何でこんな事に……。
あれからどれぐらいの時間が経ったのだろうか。
窓の外を見てもまだ日は沈んでいないから、そんなに経ってない筈。
あたしが目覚めたのは、綺麗という訳でも汚いという訳でもない、例えるなら会社の事務所みたいな部屋の中だった。
室内にはあたし一人しかなく、手は後ろで縛られていて。
一緒に攫われた筈の陽は何処にもいなかった。
陽、何処に居るの?
無事なの?
「陽……」
全部、あたしのせいだ。
あたしのせいで陽が捕まってしまった。
巻き込んで、ごめん。
ごめんね。陽。