Ri.Night Ⅱ
「絶対助けるから」
その為には此処から出ないといけない。
「よしっ」
スクッと立ち上がって、手当たり次第にそこら辺を探しまくる。
開けられる所を全て開け、ソファーやら棚やら片っ端に寄せた。
腕を縛られてるから探しにくかったけど、そこは大丈夫。凛音ちゃん足癖悪いですから。
「あった!」
ないかもと諦めた矢先、最後に探した古びた机の中に“ソレ”はあった。
乱雑に入れられた筆記用具の中にある、刃が錆びれたカッター。
余りにも錆び過ぎてきて切れないんじゃないかと思ったけど、取り敢えず切れる物が見つかったんだ。試してみる価値はある。
期待を胸にナイフに手を伸ばそうとした──その時。
何の前触れもなく開いたドア。
慌てて引き出しを閉め、机から離れる。
「あーあ、ドア凹んでるじゃねぇか」
笑みを浮かべながら部屋に入ってきたのは一人の男で。
その人物は──
「……っ、中田!アンタがあたし達を攫ったの!?」
──bladeの総長、中田だった。
「そう。凛音を拉致したのは俺だよ」
「……っ」
「何だよ。凛音は俺だとは思わなかったのか?」
愉快げに肩を揺らす中田にギリッと唇を噛みしめる。
「……っ、どこ!?陽はどこに居るの!?」
攫ったのがコイツなら、陽の身が心配だ。