Ri.Night Ⅱ
「ククッ。自分の心配より人の心配か?流石凛音だな」
「流石……?」
どういう意味?
「まぁ、それはこれから話してやるよ。立って話しすんのも何だし、そこ座れ」
フッと笑みを深め、ソファーを指差す中田。
「アンタと話す事なんてない!あたしと陽を今すぐ帰して!陽は何処!?」
「待てよ。宮原は違う部屋に居る」
「っ、離して!」
こんな所でアンタと喋ってる場合じゃないの!陽を助けに行かなきゃ!
「離してってば!」
腕を引く中田から逃れようと身を捩るけど、後ろで縛られてる状態じゃ抵抗という抵抗は出来ない。
「退いてよ!!」
自由な足で抵抗を試みるけど、足を繰り出す前に中田の一言によって止められてしまった。
「知りたくないのか?手紙のこと」
「……っ」
何で……中田が手紙の事を知ってるの?
「ククッ。どうやら知りたいみてぇだな。なら座れ。話してやるよ。──全てをな」
そう言った中田は口角を引き上げると、先にソファーへと腰を下ろした。
その姿を見て迷う。
このまま逃げるか、それとも話しを聞くか。
中田が座った今なら逃げれる。
そう思ったけど、すぐに諦めた。
だって、ロープで縛られたままじゃドアもろくに開けられないし、どうせ追いかけてくるだろうから。
それに、外にも敵が居そうだし。
せめてこの手さえ自由になれば……。
「どうした?聞かないのか?」
あたしの考えてる事なんてお見通しだとでも言うようにクスクスと笑っている中田。
その笑みに殺意を覚えたけれど、どうしようも出来ない今、中田の話を聞くしか道はない。
だから、ムカツクけど話を聞く事にした。