Ri.Night Ⅱ

「言っとくけど、凛音をイジメをさせてたのは俺じゃねぇぜ?」


「え……?」


ちょっと待って。意味が分からなくなってきた。


イジメてたのが中田じゃないって事は、イジメてたのはあの女達で、中田は“手紙”だけ出してたって事?



「時間はたっぷりある。最初から説明してやるよ」


「最初から?」


「あぁ。そうだな。さっきの質問から答えようか。俺はあの女達を“利用”させてもらっただけだ」


「利用?」


あぁ、と頷いた中田が天井を仰いで薄っすらと笑みを浮かべる。



「四月の中旬だったかな。偶然見たんだよ」


偶然見た?何を?



「凛音が階段から落とされるのを」


「……なっ」


「言っておくが、見たのは俺じゃねぇぞ?」


見たのは中田じゃない?


「じゃあ?」


「凛音を保健室に運んだ奴だよ」


あたしを運んだ奴?


「お前は“誰”が自分を運んだのか気にならなかったのか?」


誰があたしを運んだのか……。



勿論気にならなかった訳じゃない。

けど、“誰か”が親切に運んでくれたんだと思ってたから深く考えなかった。


まさか、それが……?

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