Ri.Night Ⅱ

「たまたま“その場”に居合わせたのがうちの下の奴だった。──その時だよ。“計画”を思い付いたのは」


「計画?」


「そう“計画”。凛音を鳳皇から離す為の“計画”」


離す?



「全てお前を鳳皇から離す為にした事だ」



煙草に火をつけ、口に咥えた中田が煽るように紫煙を吐き出す。



「……何の為に?」


「お前を手に入れる為」


「……っ」



あたし?

あたしは鳳皇のオマケなんじゃないの?



「その為にあの女達を利用した。凛音が自分から離れたくなるようにね」


自分から、離れるように?


「イジメが耐えられなくなって自分から鳳皇を抜ける。それが俺の狙いだった」


紫煙を吐き出ながらそう告げる中田に、成る程と胸中で呟いた。


やっと理解出来た。そういう事だったんだ。



確かに、普通の人間ならイジメに耐えられなくなって鳳皇を抜けるだろう。


イジメの原因は鳳皇。

その鳳皇から逃げたらイジメられなくて済むのだから。



「俺は“計画”の為にあの女達を呼び出した。そして、アイツ等にこう言ったんだよ。“イジメた後に報告しろ。凛音を鳳皇から離してやる”と」


「………」


「そうしたら、アイツ等は喜んで凛音をイジメ出したよ。よほど凛音を鳳皇から離したかったんだろうな」


……成る程。裏であの女達と中田が繋がってた訳ね。

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