Ri.Night Ⅱ
────…
「……んっ」
目を開けると、ぼんやりと映ったのは見慣れた天井で。
それを見て、あぁ、寝ちゃったんだ、とおぼろげな意識の中思った。
どれぐらい寝てたんだろう?
時間が気になって、壁に掛けてある時計に目をやる。
すると、時刻は八時を過ぎていて。
ま、マジですか……。
どうやら、二時間も寝ていたらしい。
……っていうか、この感触って……。
後頭部に感じる感触にまだ十夜に膝枕されたままだという事に気付いて身体を回転させて見上げる。
「……十夜?」
……寝てる。
腕を組みながら寝ている十夜を見て、あー、やっちゃった、と心の中で呟くいた。
きっと、あたしが寝ちゃったから動こうにも動けなくなったんだろう。
悪い事しちゃったな……。
「十夜?」
控えめに呼び掛けてみるけどやっぱり反応はなく。
どうやらかなり爆睡しているらしい。
十夜爆睡してるのをいい事に、下からジッと見つめる。
……何度見ても綺麗な顔。
目を閉じていても分かるその整った顔は、ずっと見ていても飽きる事はない。
膝枕なんて貴重な体験に加えてこんな近くで好きな人の顔を見つめれるなんて本当にラッキーだ。
起きてたら絶対見れないもんね。
ふふっと小さく笑って、右手をそっと十夜の左頬へと持っていく。
指先から伝わる十夜の体温。
……温かい。
「……っ」
そう心の中で呟いた時にはもう涙がポロポロと零れ落ちていた。
涙と一緒に溢れ出していく十夜への想い。
……十夜、あたし本当に十夜の事が好きだったよ。
気付いたのは最近だけど、それでも胸を張って好きだと言えるぐらい大好きだった。
すぐに忘れるなんて出来そうにないから、
もう少しだけ好きでいてもいいかな……?
右手を頬に添えたまま上半身を起こして、十夜の右頬にそっとキスをする。
十夜、バイバイ………。
そう心の中でさよならを告げて、もう一度目を閉じた。