Ri.Night Ⅱ
もしかして、充電が切れちゃった……?
嘘でしょ!?なんでこんな時に!
まだ肝心な事言ってないのに。
十夜達に戦っちゃ駄目だってまだ言ってないのに!!
「十夜……」
そう呟いた時だった。
ガチャッと開いたのは部屋のドア。
ドアの方へ視線を向けると、開いたドアから入ってきたのは一人の小柄な男の子で。
男の子にバレない様にそっと机に凭れるようにして引き出しを閉める。
ロープを切っている時じゃなくてホント良かった。
ナイフが見つかったら絶対取り上げられるし。
これを失えば他にロープを切る手段はないから絶対見つからないようにしなきゃ!
焦る気持ちを抑え、動揺をしているのを悟られないようにドアの前に立っている男を睨む。
男の子はこちらを見ているにも関わらず、何も喋らなくて。
あんな所にずっと立ってられたらロープが切れないじゃない。
「……ねぇ、何か用?」
そう問いかければ、「逃げないように見張れって言われてるんで」と全く動じる事なく淡々と答えた男の子。
そんな男の子に「外で見張ったら?」とドアを指差せば、「脱走されたら困るんで」とまたしても淡々と返された。
っていうか、
「縛られてるのにどうやって逃げんだっつーの」
どう考えても無理でしょ。
まぁ、カッターが無ければの話だけど。
……どうしよう。
十夜達に倉庫の事を伝えないといけないのに。
あの男の子を外に出す方法何かないかな。