Ri.Night Ⅱ


……あ。

机に伏せて考えていると、脳裏に浮かんだのはある“作戦”。



一か八か、これでいくしかないか。


ほぼ賭けたに近いけど、やってみないと分からないし。


という訳で、その思い付いた“作戦”を実行に移す事にした。



んーと、あたしは女優。あたしは女優。あたしは女優。


頭の中でそう何度も反復してウッと唸る。


小さく悶えて息を荒らげると、



「……どうかしたんですか?」



門番の様に立っていた男の子が声を掛けてきた。



かかった!



「お腹、痛い……。薬ある?」



顔を上げて弱々しい口調でそう聞けば、男の子はそれを信じたらしく、「お腹ですか?」とあたしの顔を覗き込んできた。



「ちょっと待ってて下さい、聞いてきます」


そう言って、小走りで部屋から出て行く男の子。




「……ふふっ。ふふふふふ」



身体を起こして、二ヒッと笑う。



ぷぷっ、駄目だ。笑いを堪えれない。


だって、簡単に引っ掛かかりすぎでしょ!


っていうかあたしが演技上手すぎるのか?


むふふ。流石凛音ちゃんだね!



……っと、笑ってる場合じゃない。早くロープ切らなきゃ。


さっき結構切ったから、もう少しで切れる筈。

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