Ri.Night Ⅱ
25.お別れ
────…
「十夜。十夜、起きて」
十夜が起きるまで、と膝枕をしたまま十夜の寝顔を眺めていたけど、爆睡しているせいか起きる気配はなく。
さすがにこのままの状態では居られないと思ったあたしは十夜を起こす事にした。
「とーやー。起きてったらー」
けど、何度呼んでも起きない十夜に早くもお手上げ状態の凛音ちゃん。
「とーおーやーさーん」
顔を覗き込んで頬をつついてみても反応は無し。
うーん。どうしよう……。
そう本気で悩んでいた時だった。
「随分と積極的だな」
………へ?
不意に響いた言葉に視線を戻せば漆黒の瞳と目が合って。
「ひゃぁぁぁぁ!」
ビックリして十夜の前から飛び退いた。
「お、起きてたの!?」
今まで寝てたにしては目パッチリなんですけど!
「さぁな」
「さぁなって……」
じゃあ、狸寝入りしてたって事!?
意味ありげに笑う十夜にカァと火照っていく顔。
有り得ないんですけど!
っていうか、ちょっと待って。
もしかして“あの時”も狸寝入りしてたって事ないよね?
思い出すのはさっき十夜の頬にキスをしたこと。
もし起きてたんだったら、あたし……っ!
「オイ」