Ri.Night Ⅱ
「りっちゃん!」
「凛音ちゃん!」
「……っ、壱さん!彼方!」
階段の死角から走ってきたのは壱さんと彼方。
見た所二人に怪我はなさそうだけど、顔や服が所々薄汚れている。
「壱さん!彼方!大丈夫!?」
「俺等は大丈夫だ!っていうか、りっちゃん捕まってたんじゃないのかよ!?」
「さっきまで捕まって──」
「凛音!テメェ、何脱走してんだよ!!」
「はぁ?」
煌の奴、今何て言った?
「お前が出てきたら助けに来た意味ねぇだろうが!!」
「……は?」
何言ってんの?
「敵を倒してから助けに行くのが一番カッコいいだろうが!!」
「は?はぁぁぁぁぁぁ!?」
さっきよりさらに意味不明なその発言に、思わず階段からずり落ちそうになった。
あ、アホかー!!
アンタ、何意味分かんない事言ってんの!?
あたしがあんなに必死になって脱走してきたのに、それを『脱走するなよ』って言いやがった!!
コイツ、人の苦労を何だと思ってんだ!!