Ri.Night Ⅱ
「黙れっ!!」
あたしの口を手で塞ぐ中田。
けど、もう遅い。
第一倉庫の事はもう伝えた。
あとは……。
「んーーー!!」
陽の事だけ。
頭を激しく左右に振ると、少しだけ緩んだ手。
その隙に口を開け、思いっきり指に噛みついた。
「………っ」
小さな呻き声と共に中田の手が離れて、頭を振って蹴散らす。
「十夜!陽が何処にいるか分からない!あたしはいいから陽を見つけて!お願い!!陽を先に見つけて!!」
そう叫んだ時にはもう倉庫から出ていたけれど、きっと届いてるだろう。
十夜、お願いだから陽を見つけて。
あたしはいいから陽を見つけて。
お願いだから、陽だけは……。