Ri.Night Ⅱ
でも、煌がバラしてくれたお陰で無理して笑わなくても良くなったから気が楽になった。
その代わり、皆が過剰に心配してくれる様になったけど。
その中でも一番心配してくれたのが十夜で。
壱さんみたいに直球ではないけれど、ふとした言葉や態度がいつもより優しかった。
でも、その優しさは今のあたしには辛くて、極力十夜の傍に近寄らないよう距離を取った。
不自然だと言われればそうかもしれない。
でも、自然に見える様に自分では頑張ったつもりだ。
話し掛けられればちゃんと答える。
だけど、自分からは必要以上に話し掛けないし、触れない。
そのお陰で色々な事を考える事が出来た。
考えて考えて考えて。
最終的に残ったのは、やっぱり十夜と一緒に居たいという想いだけ。
ううん。十夜だけじゃない。
煌とも陽とも彼方とも壱さんとも。
そして、鳳皇の皆ともずっと一緒に居たいと思った。
それが許されない事だっていうのは分かってる。
怪我の理由を聞いて、それでも黙っているのは十夜達を騙してる事になるんだって事も十分分かってる。
だけど、離れたくない。
皆と一緒に居たい。
けれど、後にその考えを覆してしまう“あるモノ”を目撃する事になる。
──決定的なモノを。