Ri.Night Ⅱ



「……凛音ちゃん、大丈夫?」


「え?あ、うん。大丈夫」



心配そうにそう聞かれて、顔を上げる。



「良かった。ごめんね、恐い思いさせて」


「雷さん……」



シュンと肩を落とした雷さんはいつもの優しい雷さんで。


まるで、さっきの雷さんが幻だったかのように思えた。



「ううん、ありがとう。雷さんが居なきゃあたし連れて行かれてたし。本当にありがとう!」


「凛音ちゃん……可愛いっ!!」


「ぐぇっ」



潰れる!潰れるから!

不意打ちはやめて下さい。お願いします。







「そう言えば、十夜達は?」



あれから随分時間が経ったけど、どうなってるんだろう?



「あ、まだやってるね」



雷さんと揃って振り向くと、さっきまで数十人居た敵が今ではもうほんの僅かな人数しか残っていなくて。


きっと、bladeがいなくなったから早く片付いたんだと思う。





……それにしても、二人とも強い。


まさか、あれだけの人数にほぼ無傷でいるなんて。



そう言えば、あたし十夜達の喧嘩見るの初めてかもしれない。


出逢うキッカケになった中田との喧嘩は知らない間に終わってたし。



だから、今更だけど初めてなんだよね。見るの。





無駄のない動きで次々と片付けていく二人をジッと見ているあたしと雷さん。


二人の喧嘩を見てて思った。


十夜と煌の戦い方はよく似てると。


二人はあたしが見て来た中でも上位に入るぐらい強い。

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