Ri.Night Ⅱ
「っ、凛音ちゃん!」
二人の喧嘩に見入っていたあたしの肩を軽く揺する雷さん。
あそこ、と顎で促されて振り向くと、パーキングの端に止まっていたワゴン車が静かに前進しているのが見えて。
「もしかして……」
それが何を意味しているのかすぐに分かったあたしは、直ぐ様地面を蹴った。
「ちょっと!アンタ達逃げる気!?」
そう叫んだ時にはもう男達は車に乗り込んでいて。
「覚えてろよ!」
ご丁寧に窓を開けて、お決まりの捨て台詞を吐いた赤髪の男に舌打ちをした。
アイツ等、絶対に許さない!
次会ったらタダじゃおかないんだから!!
「り、凛音ちゃん、顔、顔コワイ」
「……む」
しまった。思わず素が出てしまった。
「……えへ」
取り敢えずニッコリ笑って誤魔化しておく。
それにしても、喧嘩している仲間を放って逃げるだなんて最低な男だな。
……なんて、呑気に思っていた時だった。
「──よぉ、凛音ちゃん」
「ひぇっ!!」
背後から現れたのは、悪魔煌。