Ri.Night Ⅱ



「ここここここ煌!?」



背後からガシッと肩を組まれ、逃げないよう拘束されたあたしは笑顔のままピキンと固まる。



「俺はニワトリか?ん?」


「いえ、滅相もございません!」



コワイコワイコワイ!!


後ろに悪魔がいるんですけど!



どどどどどうしよう!?


どうしたらいい!?



って、ハッ!あたしには心強い味方が居るじゃないか!!



「雷さ──」



救世主雷様に助けを求めようと振り向くと、目が合った雷さんはニヒラヒラと手を振って二ッコリ微笑むだけ。


終いには「頑張れー」と口パクで応援され、凛音ちゃん白目。



雷さんの馬鹿ー!!味方だと思っていたのにぃぃぃぃぃ!!




「凛、音、ちゃーん?」



頭上から落とされる悪魔の呼び掛けに固まる事しか出来ないあたしは、取り敢えず返事しておく事にした。



「……な、何でしょう?」


「俺、話ししろとは言ったけど逃げろとは言ってねぇよな?」


「………」



耳元で囁かれたその言葉に、冷や汗が滝の様に流れ落ちる。



……こ、コワイです煌さん。






「──あ、来た」



来た?



煌の低音ボイスにガクブルしていると、陽気な声でそう言った裏切り者雷さん。


顔を上げると、こっちに向かって歩いてきている十夜の姿を捉えて、ヤバイ、と思わず一歩後退してしまった。



ど、どうしよう。会いたくないんですけど。



怒られるっていうのもあるけど、今会ったら──



「……っ、煌!離して!」



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