Ri.Night Ⅱ

────…


あれから更に一週間ほど経ち、週末の土曜日。

あたしはいつも通り倉庫にいた。


「飯食いに行くぞ」


ぶっきらぼうな十夜の一言に、皆立ち上がってリビングを出て行く。



相変わらず十夜とは距離を取ったままで。

そのお陰か、あたしは何とか元の自分に戻っていた。


だけど、逆に十夜の機嫌が悪くなっているような気がする。


理由は定かではないけれど、理由の一つにあるチームが関わっている事は確かだ。


そのチームは分からないんだけど、bladeとはまた別のチームらしい。


何で次から次へと……。


そう一瞬思ったけど、それは愚問だって事にすぐに気が付いた。


だって、この世界じゃそれは当たり前の事だから。


下のチームは頂点を取る為にトップに喧嘩を仕掛け、トップは頂点を守る為にそれを受ける。


それが当たり前の世界。


そんな世界に十夜達も貴兄達もいるという事は、鳳皇と獅鷹が喧嘩していてもおかしくはないという事で。


これからも争いが起こる可能性は十分にある。



もし、“あたし”がキッカケで皆が争う事になったら?


それだけは、嫌だ。


皆が争う姿なんて見たくない。


あたしはどうしたらいい?

< 6 / 348 >

この作品をシェア

pagetop