Ri.Night Ⅱ
「いや、あの……って、ちょっと待って。二人の方こそなんで此処にいるの?」
二人の顔を交互に見ながら首を傾げると、二人は顔を見合わせて二カッと笑った。
「さっき煌から電話あったんだよ。凛音が攫われそうになったって」
「で、壱に車ぶっ飛ばして貰って此処に来たって訳」
「な、成る程」
分かりやすく説明してくれたのはいいけど、あたしが攫われたってどういう事?
「ねぇ……って、ちょ……!」
二人とも近い!
これでもかってぐらい詰め寄ってくる二人に仰向けに転びそうになって、慌てて肘をついて受け身を取る。
「二人とも、凛音ちゃん困ってるから離れてあげなよ」
「……っ、壱さん!」
今度こそ救世主様が来たー!
靴を脱いで部屋へ上がってくる壱さんに手を伸ばして助けを求めると、ご丁寧に身体を支えて起こしてくれる壱さん。
「凛音ちゃん、大丈夫だった?」
「うん。大丈夫」
「そっか。良かった」
穏やかな笑みを浮かべながら頭を撫でてくれる壱さんは王子様そのもので。
もう、壱さんを見るだけで幸せな気分になれる。
「お前は馬鹿か。お前は大丈夫でも俺は大丈夫じゃねぇんだよ」