Ri.Night Ⅱ
「じゃあ凛音、また明日な!」
「りっちゃんおやすみ!」
「凛音ちゃんゆっくり休んでね」
一緒に来た陽と彼方と壱さんは車で帰り、煌と十夜は乗ってきたバイクで帰る。
そんな中、あたしはと言うと。
「バイク此処にあるし、俺が送るわ」
どうやら煌が送ってくれるらしい。
十夜のバイクは繁華街の喧嘩した場所に置いてあるから結構遠い。
そのせいか、煌が送ると言っても十夜は何も言わなかった。
「十夜、おやすみ」
「おやすみ」
バイクが置いてある所まで車で向かう為、十夜とは此処でお別れ。
十夜はあたしの頭をポンッと軽く叩いた後、背を向けて歩き出した。
「凛音ー!煌ー!おやすみー!!」
「皆おやすみー!また明日ー!!」
振り返って手を振ってくれる陽達に、あたしも大きく手を振り返し、お見送り。
──“また明日”
そう言えるなんて、もう無いと思っていた。
本当は今でも離れなきゃいけないと思っている。
思ってる……けど、十夜のあの言葉であたしの想いは覆されてしまったんだ。
離れなきゃいけないという想いよりも、一緒に居たいという想いの方が勝ってしまった。
本当はこんな事駄目だって分かってる。
分かってるけど、十夜にあんな風に言われたら離れられないから。
勿論、貴兄達にバレた時は素直に従うつもりだ。
あたしが原因で抗争になったりとか嫌だし、何より、貴兄にバレた時はあたしと獅鷹の関係がバレた時だろうから。
まぁ、あたしが鳳皇に居たいと言っても、十夜を傷付けた獅鷹総長の妹なんて受け入れて貰える訳がないだろうけど。
バレた時は自分から鳳皇を去る。
それが自分に課した条件だから。