Ri.Night Ⅱ
皆、自分勝手でごめんね。
でも、まだ皆と一緒に居たいの。
だから……。
「……っ」
「──アイツに言えって行ったけど逃げろとは言ってねぇだろうが」
俯いたあたしの頭をそっと抱き寄せる煌。
煌らしくない真剣な声が静かに頭上に落とされる。
「心配させんじゃねぇよ」
「………」
「もう、抜けるとか言うなよ」
「………」
「余計な事考えんじゃねぇ」
「………」
「そんな事にお前のない脳みそを使うなよ」
……オイ。
「馬鹿になんだろうが」
コラ。
「それ以上馬鹿になったらヤベェぞ」
ちょっと待て。
「人間じゃなく──」
「ちょっと!喧嘩売ってんの!?」
下からキッと睨み付ければ、
「ハッ。そうそう。お前はそうやっていつもキレてろよ!」
そう言った煌がグシャグシャとあたしの髪の毛を掻き回した。
「は?ちょ、グシャグシャになるからやめてってば!」
「ホラ、帰るぞ」
散々搔き回して満足したのか、陽気な声であたしにヘルメットを被せる煌。
「うわっ……!」
ひょいとあたしを持ち上げてバイクの後ろに乗せると、自分もバイクに跨ってヘルメットを被った。
「安全運転じゃないと後ろから絞めるからね!」
「はいはい。まだ死にたくねぇからな」
苦笑紛れに笑った煌はそう言うと、エンジンを噴かしてアクセルを切った。