Ri.Night Ⅱ
27.計画
────…
眠、たい……。
──カクン。
あ~、駄目だ。
もうすぐお迎えが来るんだから起きてなきゃ。
そう思いつつも眠気は治まらず、マンションの壁に凭れながら居眠りをするあたし。
あー、もうホント駄目。眠たすぎる。
「り、凛音ちゃん?」
「んん~」
「わ、危なっ!」
寝惚け眼でそう返事したあたしの身体はグラッと前へと傾いて誰かに抱き止められた。
「凛音ちゃん!凛音ちゃん起きて!」
「ん~?」
両肩を揺すられてうっすらと目を開けると、目の前には困り果てた壱さんのお顔があって。
「………」
少しの間ジッと見つめて観察する。
「……ギャッ!!」
やっと目の前に居るのが壱さんだと認識して一気に眠気がぶっ飛んだ。
「ぷっ。ギャッって。可愛い。凛音ちゃん、おはよう。起きた?」
「起きた!ごめんね壱さん!」
朝からキラキラスマイル壱さんのドアップにある意味昇天してしまいそうなりながら、両手を合わせて謝り倒す。
「──壱」
「分かってるよ。はい、凛音ちゃん乗って」
ご丁寧にドアを開けてくれた壱さんに「ありがとう」とお礼を言って車内に乗り込む。