Ri.Night Ⅱ
無事校舎に入ったあたし達は、はぁ、と溜め息を吐いて、その場で一旦停止。
ある程度息を整えた後、再び陽と一緒に歩き出す。
「凛音、お前何したんだよ?」
階段を上がりながら訝しげにそう聞いてきた陽に、「うーん」とこめかみをポリポリ掻く。
「いやぁ~、十夜はあたしが寝ちゃったから怒ってて、煌は頭突きかましたから怒ってる」
「はぁ?」
お前、何言ってんだ?と不思議そうに見てくる陽に、あははと苦笑。
そりゃそうだよね。
そんな説明じゃ分かる訳ないか。
「まぁ、話せば長くなるからまた説明するよ」
話すと長いし。
十夜はともかく、煌の頭突きに関しては最初から話さなきゃいけないしね。
「よく分かんねぇけどまぁ良いや」
あっさりと引いてくれた陽は、「今日のお昼何食おっかなー」と早くもお昼ご飯の事を考えていて。
あの二人も陽みたいにやりやすかったら良いのにな、としみじみそう思った。
……のがいけなかったのだろうか。
「うわっ!危ねっ!凛音、下見て歩けって!」
最後の最後で躓いてしまい、転けそうになったあたしを陽が慌てて引っ張ってくれた。