Ri.Night Ⅱ
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何事もなく一日が過ぎ、あっという間に放課後がやってきた。
いつものように陽と妃奈の三人で教室を出て校門へと向かう。
バイク通学の陽とは校舎を出てすぐに別れ、そこから先は妃奈と二人で校門へ。
「もうすぐ夏休みだねー」
「ねぇねぇ、妃奈。海行かない?」
「海?わー、楽しそう!行きたい!」
歩きながらそんな他愛ない話をしていると、「凛音!」と背後から誰かに呼び止められて、おもむろに振り返る。
すると。
「真紀さん!?」
振り返った先に居たのは、入学式の日以来会ってなかった真紀さんで。
「久しぶりね、凛音。えっと、西上さんだったかしら?はじめまして。いつも凛音と仲良くしてくれてありがとう」
駆け寄っていったあたし達にニコッと微笑んでくれる真紀さん。
大人の色気ムンムンの真紀さんにポッと頬を赤く染めた妃奈が、「理事長先生こんにちは!こちらこそ凛音ちゃんにはいつもお世話になってます」と慌てて頭を下げる。
「凛音、ごめんなさいね?引き止めて」
「ううん、大丈夫だよ真紀さん。っていうか、今日はどうしたの?」
「実は凛音に預かり物があってね。それをどうするか聞きにきたの」
「預かり物?」
何の事だろう?
「もう、凛音ってばこの季節になると毎年貰ってるじゃない!」
うーん、と首を傾げるあたしに苦笑する真紀さん。
毎年貰ってる?
それってもしかして……。