隣の席のみなみくんは笑わない


そんなハチャメチャで強烈な個性の濃い彼女を見ていると、なぜだかワクワクして、安心して、それでいてなぜだかもっと見ていたくなる。



こんな短時間なのに、「田中華」という人物に、どうしようもなくグイグイと引き込まれてしまう。



今まで、こんな破天荒な人、見たことない……。



『……ぷっ』


『あっ!!笑った!!!やっぱ美人ー!!!!あ、鼻血。』


そう言って右手で鼻を抑え出す彼女。


真っ赤に染まった右の手のひらを見て、なぜか冷静になっている彼女は、あたしを見つめる。


『うわ。信じられない。あたしに近づかないで。』



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