隣の席のみなみくんは笑わない
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「まかさーん??まなかさん??」
気づけば、あたしの目の前で手を振っている華。
いつの間にか物思いに更けていたらしい。
心配そうな友の顔は、あたしの瞳をのぞき込んでいた。
この子は、滅茶苦茶で、やりたい放題で、馬鹿そうに見えるけど、人の感情を読んだり察することに長けている。
だからなのか。
あの日、あたしに声をかけてくれたのは、あたしの心の悲鳴を聞いたからなのかな。
もしそうだとしたら、そこに友情なんて存在しなかったのかな、なんて。
あの頃はそんなことばかりを気にしてくよくよしていたあたし。