隣の席のみなみくんは笑わない







「華ー、帰るよー?」



遠くでまなかさんの声が聞こえてくる。



雨が降るようにたくさん雨乞いをしたのに。


逆さてるてる坊主も、雨乞いのダンスも、雨乞いの呪文も、試せるだけ試したのに…………。



「傘、持って来た意味無いな。」



まなかさんが教室の窓から空を見上げて呟く。



そう。



あたしの数々の努力も虚しく、雨が降ることもなく晴天なのだ。




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