シンデレラタイム
恋愛話で部活は終わった。
…なんという無駄な時間。
面倒な先生から逃げるようにして学校を出て、4人で駅まで歩く。
3人を駅で見送って、あたしはUターン。
学校の場所が地元だからね。
そんなわけで今日もこのコース。
3人とバイバイしてから昔からありそうな古い本屋さんと文房具屋に寄る。
本屋をでて家へ帰ろうとボーっとしながら歩いていると、誰かの手が肩に触れ、振り返った。
「こんにちは、光里ちゃん。」
高そうなスーツにセットされた髪と金のピアス。
むかつくくらい肌が綺麗。
先のとんがったホストの人とかがよく履いてそうな靴。なんてゆうの?これ。
球技大会の帰りに会った雄弥?だっけな。前と同じように胡散臭い笑顔を顔に貼り付けている。
ちゃんと笑っているのに、瞳の奥はどこか冷めたような表情しかできないのか、あんたは。
「お久しぶりです。今、お時間ありますか?」
「ないですよ。」
「まあ少しだけでも。」
「しつこい人は嫌いなんです。」
「大丈夫です、あなたの好みに毛ほどの興味もありませんから。」
柊大より腹立つ。