シンデレラタイム
「またオーナーの頼みですか?」
「ええ、もちろん。」
「暇なんですねぇ。」
「貴女ほどじゃないですよ。」
「あんたさ、オーナーの人に都合良く使われてる気がするけど?」
「…オーナーの悪口はやめてもらえます?」
瞬間、一気に彼のオーラが黒くなった。
目が据わってる。
…なんだこの人。
もしかしてアブナイ系だったりする?
まさかな。
「光里!」
声のした方へ体を向けると超機嫌の悪そうなおじさんがいた。
なんというタイミング。
てか起きれたんだ、仕事は?
こっちに歩み寄ってくるおじさんは、あたしじゃなくて雄弥を見据えてた。
いつものアホっぽい感じが全くしない。
…なんだろう。怒ってんのかな?
「おじさん。ただいま。」
「おかえり。」
うん、あたしには普通の態度だ。
あたしの隣に立ったおじさんは、雄弥に話しかける。
「よう。何?もう関わらねぇはずなんだけど。」
「ご無沙汰しております。オーナーの遣いで参りました。」
「言葉遣いだけは相変わらず綺麗じゃねぇの。」
「恐れ入ります。」
…知り合い?