シンデレラタイム
お腹を抱えてゲラゲラ笑う柊大に蹴りを入れてやりたい。
クソ兄〜〜〜!!!
こうなったら必殺千花ちゃん!
「千花ちゃんに連絡して助けてもらう!」
「千花大学じゃね?出ねぇだろ。」
おい、冷静すぎ。焦れよ。
速攻で千花ちゃんに電話をした。
『…もしもし?』
「千花ちゃん!柊大が意地悪すんの!」
『はあ…。代わんなさい。」
柊大に携帯を渡す時に満面の笑みを作ってやった。保健室の隅の方に行って何か小声でブツブツ言ってるお兄さん。
怒られてるねぇ。
柊大が電話してる間に先生に挨拶して、葵たちともバイバイした。
千花ちゃん効果バツグン。
チャリの荷台に乗せてもらって、柊大と久しぶりに二ケツして帰った夏の終わり。
柊大の大きな背中と、坂道を下る時の涼しい向かい風の匂いが懐かしかった。