シンデレラタイム


次の日の学校。



休み時間に葵と部活のことで話をした。




「光里は決めてないの?」

「うん。特にまだ何も。」

「そっかあ。」



葵と話しつつ、爪にヤスリをかけてるクラスの女子を見て、すごいなあって思う。






「じゃあもうさ、自然部入らない?」



え?


葵の唐突な誘いに一瞬固まった。



「自然部?」

「そうそう。実はあたし、自然部入部してるんだよね。」

「……自然部?」

「自然部という名のお喋り部だよ。」



なにそれ。楽しそう。
喋るの基本好きだから、それは魅力的だ。




「でも、葵もう入部してんの?早いね。」

「中高一貫校だからさ。あたし、中学からこの学校だから中1から自然部やってるよ。」

「まじで?」

「まじで。」



そっか。葵は中高一貫生だったの忘れてた。




「他にも中学からの内部進学者多いよ?クラスの女子にも結構いるし。安田(やすだ)とか。」




安田とは、クラスメートの女の子だ。
輪の中心にいて元気な感じの。






「全然知らなかった。」

「高校からだと分かりにくいよね。で、とりあえず部に話通しておくけど、どうする?光里の好きなようにした方がいいからさ。」



頭使うの嫌いだからな。よし。
考えないで直感で決めた。



「お願いする。」

「……ちゃんと考えた?」

「いや。いいの。直感人間だからさ。」



そう言うと葵は笑ってた。





「ま、まずは見学においで。」



気使ってくれたんだね。




< 14 / 182 >

この作品をシェア

pagetop