シンデレラタイム
次の日の学校。
休み時間に葵と部活のことで話をした。
「光里は決めてないの?」
「うん。特にまだ何も。」
「そっかあ。」
葵と話しつつ、爪にヤスリをかけてるクラスの女子を見て、すごいなあって思う。
「じゃあもうさ、自然部入らない?」
え?
葵の唐突な誘いに一瞬固まった。
「自然部?」
「そうそう。実はあたし、自然部入部してるんだよね。」
「……自然部?」
「自然部という名のお喋り部だよ。」
なにそれ。楽しそう。
喋るの基本好きだから、それは魅力的だ。
「でも、葵もう入部してんの?早いね。」
「中高一貫校だからさ。あたし、中学からこの学校だから中1から自然部やってるよ。」
「まじで?」
「まじで。」
そっか。葵は中高一貫生だったの忘れてた。
「他にも中学からの内部進学者多いよ?クラスの女子にも結構いるし。安田(やすだ)とか。」
安田とは、クラスメートの女の子だ。
輪の中心にいて元気な感じの。
「全然知らなかった。」
「高校からだと分かりにくいよね。で、とりあえず部に話通しておくけど、どうする?光里の好きなようにした方がいいからさ。」
頭使うの嫌いだからな。よし。
考えないで直感で決めた。
「お願いする。」
「……ちゃんと考えた?」
「いや。いいの。直感人間だからさ。」
そう言うと葵は笑ってた。
「ま、まずは見学においで。」
気使ってくれたんだね。