シンデレラタイム
「ひかりィ!もっと力一杯投げなさいよ!」
「ご、ごめん。」
「そんなんじゃ負けちゃうから。気合い入れてやってね!」
…勘弁してください…。
種目が決まってから1週間。
クラスメートの安田からいつものように説教。
怒られるのは家だけで十分だよ…。
ほら、おっさんもお姉様も(兄貴も)説教してくるし。
あのLHRの日から、毎日毎日、朝練して昼練して放課後も練習。
担任も体育教師のおかげで体育の時間も練習に当てられるというスパルタぶり。
練習量異常じゃね?どうした?
あ~、早く帰りたい~。
そしてご飯食べて寝たい〜。
なんて無駄なこと考えながら、ドッヂボールをしてたら。
シュンッて格好いい音がして、次の瞬間にはもうボールがお腹をストレートヒット。
魔球か!
なんて考える暇もなくて、とりあえずみんなから視線を浴びた。
なに!?今の!?ボール!?
…あたし軽く飛んだよね!?
あああ!恥ずかしい!ってか痛い。
「光里!早く外出て!」
「すみません…。」
怒られるし!
あんなボール投げんなよ!
って避け切れなかった腹いせにズカズカと外野に出た。