シンデレラタイム
1人保健室まで歩いていると、後ろからかけ音が聞こえて「浅水!」と名前を呼ばれた。
振り向くと見知らぬ男子。
多分クラスメートなんだろうけど。
てか体育館から出てきたからクラスメートってことはわかる。まだ名前と顔が一致しないだけ。
目の前に立った彼は、あたしの顔を遠慮なしに凝視してくる。
えっと…、なに?
左目を押さえて右目でしか見ることができないから、余計に誰かわからない。
目の前のその人はバツが悪そうに、「あの、目痛む?」と聞いてきた。
ああ、あんたが当てたのか。
ま、どうだっていいけど。
「結構本気で投げちゃったんだけど、大丈夫?」
大丈夫なわけねーだろ。
と思いながら一応大丈夫だよと答えて、また歩き出す。
「あのさ、俺が当てちゃったし、着いて行くよ。」
…律儀だなぁ、と思いながら一度は断ったけど、なかなか引き下がらないので一緒に行くことにした。