シンデレラタイム
「お前さぁ、目も大事だけど、その手どうにかしたら?」
引き出しをゴソゴソするあたしの背中に、川藤という名前の男子が話しかける。
パッと右手を見てみると、確かに赤い。
まあ見栄え最悪だよね。
でも目の方が何かあったらやなんだけどなぁ。
そう考えながら確かに自分じゃ手しかまともに手当できないと考え、とりあえず救急箱を探すことにした。
って探してるのに、救急箱が見つからなくて代わりに発見したのは汚いガーゼとか消毒液とか。
これ、大丈夫なの?
黄ばんでるってか、汚くね?
消毒どころか菌呼びそうじゃん。
なんて思っても見つからないからな、仕方ない。
とりあえず応急処置だし。
帰ったら柊大にでも頼もう。
見つけたガーゼやらハサミやらを机に置き、適当に椅子に腰掛ける。
消毒液をいじっていたら、川藤って人に話しかけられた。