シンデレラタイム
次の日の練習。
眼帯に、手は絆創膏だらけのあたしは、みんなの練習の妨げにならないように見学することにした。
別にドッヂぐらいなら余裕にプレイできるけど、見学できるなら丁度いいか。
汗かくから無駄に動きたくないし。
広い体育館を見渡す。
……みんな頑張るねぇ。
楽しそう。
自分も若いつもりでいたけど、みんなのが若々しい感じがしなくもない。
運動嫌いの葵もマスク持参で見学する気らしく、2人並んで話していたら。
「…浅水?」
後ろから声をかけられて葵と振り向く。
そこにいたのは、昨日あたしの顔面にボールをお見舞いしてくれた彼。
「あ、シマじゃん。どうしたの?」
「いや、シマじゃねーし。」
「じゃあ、真島くん、何でしょう?」
「…昨日悪いことしたから、…お詫びってゆうか。とりあえずこれ。」
そう言って、あたしに飴一袋を差し出す。
……女か!
ちょ、こんなことすんの!?
今時の男子って!
女でもしないんだけど!あたしだけ!?
「まじか!いらないのに!」
「女だし顔だし悪いからさ。」
「あんた、ほんと律儀だよね。」
「じゃ、用はこれだけで練習戻るわ。安田うるせぇし。」
「ありがとうね、シマ。」
「シマじゃねぇよ!」