シンデレラタイム
タタタッと輪に戻る律儀なやつを見送る。
すごいなあ、あいつ。
飴もらえて嬉しいけど。
「へぇ~。真島と仲いいんじゃ~ん。」
「昨日少し話したぐらいだけどね。」
「いいじゃん、友達できて。」
「葵もすぐできるよ。」
「まぁ、真島とは中学一緒だしな~。」
「そうなの?良い人そうじゃん。」
「真島が?」
「え?うん。」
「真島ねぇ…。」
「なに?」
「ううん、何でもない。」
もらった飴の袋をあけ、適当に何個かを手に取り葵に渡す。色んなフルーツの味がたくさん入ってる無難な飴をチョイスしてくれたみたい。みんな好きそうな感じ。
「あ。俺も俺も。ブドウがいい。」
「よぉ、フジ。」
「ちげーわ。」
「またサボってんの?」
私の隣に腰かけて、手を出し飴を催促するフジにも適当にあげた。
ブドウとかオレンジとかメロンとか。
その場で葵とフジをお互いサッと紹介する。
「じゃあ、あたしもフジって呼ぼうかな~。」
「やめろ。」
クラスメートの人達の名前やら部活の話に花を咲かせ、練習が終わるまで3人並んでた時間が何だか楽しかった。