シンデレラタイム


タタタッと輪に戻る律儀なやつを見送る。



すごいなあ、あいつ。
飴もらえて嬉しいけど。




「へぇ~。真島と仲いいんじゃ~ん。」

「昨日少し話したぐらいだけどね。」

「いいじゃん、友達できて。」

「葵もすぐできるよ。」

「まぁ、真島とは中学一緒だしな~。」

「そうなの?良い人そうじゃん。」

「真島が?」

「え?うん。」

「真島ねぇ…。」

「なに?」

「ううん、何でもない。」



もらった飴の袋をあけ、適当に何個かを手に取り葵に渡す。色んなフルーツの味がたくさん入ってる無難な飴をチョイスしてくれたみたい。みんな好きそうな感じ。



「あ。俺も俺も。ブドウがいい。」

「よぉ、フジ。」

「ちげーわ。」

「またサボってんの?」




私の隣に腰かけて、手を出し飴を催促するフジにも適当にあげた。
ブドウとかオレンジとかメロンとか。


その場で葵とフジをお互いサッと紹介する。



「じゃあ、あたしもフジって呼ぼうかな~。」

「やめろ。」



クラスメートの人達の名前やら部活の話に花を咲かせ、練習が終わるまで3人並んでた時間が何だか楽しかった。



< 32 / 182 >

この作品をシェア

pagetop