シンデレラタイム
相手の男子が投げたボールもお構いなしに受け止めては投げた、とうより当てた。
おじさんにボールの投げ方とか、めちゃくちゃ教えてもらったもんなぁ。
柊大とか、あたしが泣いても気にせずボール投げてくんの、ひどくね?
そのおかげで、まあまあ上手くなったとは思うけど。
むかつくけど、おじさんも柊大も何かありがとう。今役立っています。
なんて昔のことをちょっと思い出しながらボールを投げる。
7人全員当てたのを確認し、制限時間を残したまま試合終了の合図を聞いて、その場に座り込む。
勝てた…!
久しぶりに本気出してボール投げたよ。
なんて余韻に浸る間もなく、審判にコートの外へ出された。さっさと出ろってさ。
クラスメートは練習であたしがボール投げてるところを見てたから、何とも思ってないだろうけど、他クラスの人たちの視線が何となく痛い。
ああ、さよなら、あたしの花の高校生ライフ〜!
次の試合までクールダウンしようと、葵と話していたら。
ガシッと誰かに飛びつかれた。
背中折れる!
わけないけど、衝撃すげぇな!
「光里!」
「ん?安田か。」
「クラスの男子達のフォーム、確認してくれない?光里上手いし。」
「いや、あたし上手いわけじゃ…。」
「やるのよ。」
「…はい。かしこまりました…。」
休みたーーい!