シンデレラタイム
物語の始まりは
あたしは、浅水 光里(あさみず ひかり)。
15歳。今日から高校生!
真新しい制服に腕を通して、入学式へと向かう。
「光里!行けたら行くからな!」
「無理して来なくて大丈夫だからね?」
「おう。高校生活はあっという間だからな。シンデレラタイムだ。」
「…なにそれ?」
「時期にわかる。楽しめよ?」
「うん。わかった。」
「気をつけてな。」
「ありがと。行ってきます。」
玄関先まで見送ってくれたおじさんに手を振って、学校を目指す。
近いからという理由だけで選んだ高校は、特に制服が可愛いわけでもなく。歩いて10分。チャリで3分。
それだけの理由で選んだから、合格してから、中高一貫校であったり、男女比が7:3だったり、トイレが全自動だったりと色々と衝撃を受けた。
入学式にはチャリで来れないから、10分歩いてようやく着いた高校に足を踏み入れる。
デカデカと張り出されてるクラス発表に目を通し、自分が1年B組であることを認識した。
桜が舞い散る4月上旬。
あたしはここで、3年間を過ごすんだ。