シンデレラタイム


すぐに折り返しで電話がかかってきて、渋々出た。

出たくないなぁ。




「…もしもし?」

『あっ!光里ちゃ~ん!』

「きっも。」

『あ"?』

「何でもございません、お兄様。」

『雪斗様から話は聞いたよぉ。』

「はぁ…。そうでございますか。」

『行ってこいよ。』

「がち!?」

『おお、がちだがちだ。』

「…あんた、本当に柊大?優しくて超きもいんだけど。」

『おい、うぜぇな。』

「ま、いいや。じゃあね。」

『おい待てコラ。タダなわけねぇじゃん。』

「はい?」

『タダじゃねぇよ。馬鹿だな、お前。』

「いや、なにそれ?」

『聞け妹よ!我の望みを!』

「キャラ大丈夫?」

『うるせぇ。ってことで明日っからの俺の分の家事分担、3日間よろしく~。』

「ええ!?やだ!」

『よし、お前、今すぐ帰ってこい!』

「やらせていただきます!」

『じゃ、楽しんでこいよ~。土産はコロッケな。』

「バカ兄!」



遠くで柊大の高らかな笑い声が電話越しに聞こえて、余計に腹が立った。


< 43 / 182 >

この作品をシェア

pagetop