シンデレラタイム
と思ってたら。
彼はあたしに躊躇なく頭を下げた。
「僕の恩人であるオーナーの頼みなんです!忙しくしていらっしゃるので、僕が代役で来ました。大事な話なんです!」
ええ〜〜。
駅でやめて。恥ずかしいわ。
そもそも代役じゃなくて本人が来いよ。
よくよく考えるとバカバカしい。
新手の嫌がらせとか?
にしては幼稚だけど。
何となく手に持っていた名刺に目を落とす。
名前と彼が勤めているらしいお店の住所と電話番号が書いてあった。
《 club 龍 雄弥 》
ってあんたホストじゃん!ビンゴ!
まあいいや。
「ではそのオーナーに、こんなことをされても迷惑だとお伝えください。」
そう告げて家に帰った。