シンデレラタイム
両手を見つめる。
ママもパパも、この手から離れていった。
誰のせいかなんてわからないけど。それでも千花ちゃんは、あたしのせいだと自分を責めていたっけ。
千花ちゃんと柊大とおじさんが、あたしの中に残ってくれた。
だけど、いつか、この手から千花ちゃんも柊大も零れ落ちていきそうで。
パパとママに、千花ちゃんも柊大もおじさんも、全てを奪われそうで。
そんなことはありえないって。3人共、どこにもいかないと言い聞かせても、本当に?って悪魔のような囁きが何処かから聞こえた気がした。それはあたしが作り出した幻聴なのだけど。
「浅水?」
名前を呼ばれてハッとした。
人影が見える。
「千花ちゃん!?」
って千花ちゃんも柊大もおじさんもいるわけないのに。性懲りも無く3人を求め、あの3人がいなきゃ何もできないのかと肩を落とす。
顔を上げると、フジと真島の顔。
2人とも、驚いたような表情をしていた。
そりゃそうか。急に誰?って話だもんね。