シンデレラタイム


そのまま流れ作業のように終わったHR。


おじさんもまだ仕事があるし、あたしも早く帰りたかったから、早々に学校を後にした。







家に帰ってから、また仕事に戻るおじさんを見送る。


それから和室に行って、死んだじいちゃんとばあちゃんの写真に手を合わせる。


あたしが5歳の頃に亡くなったじいちゃんは、なんか優しかった記憶が薄っすら残ってる。
ばあちゃんはずーっと前に亡くなってるから、会ったこともないけど。




あたしたち兄弟は、ママの弟である雪斗(ゆきと)おじさんにあたしが5歳の頃から預けられている。



ことの発端は、パパの父親であるじいさんだ。
奴は自分が作った莫大な借金を、息子のパパに押し付けて死んでいった。


そんなクソジジイのせいで、23からホスト人生を歩むことになったパパと、借金返済と家族の生活費のために働くせいで、帰りが遅くなるパパへの不満をあたしたちにぶつけるママとの間で育ったあたしたち。


別にパパは不倫したりしてないとかなんちゃらかんちゃら言ってたけど、援交も不倫のうちに入るとママはうるさかったっけ。


まあ、8000万も借金あれば、お金もらってでも女の人と一晩過ごすよね。
っていうのがパパの考え。



そんなパパへの不満が溜まりに溜まって、あたしたち兄弟を殴ったり蹴ったり、ママはやりたい放題だったと思う。


首絞められて死ぬかと思ったって、兄貴がいつか言ってたっけ。



そんなこんなで、言ってしまえば不倫ホストとDV女が両親だった。

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