シンデレラタイム


「楽しそうだなお前ら!」

「楽しくねぇよ!」

「まあまあ。浅水だけ笑ってたのが俺的に悔しいかな~。」

「あの程度ならビビりませんよ。」





ちぇっと悔しそうな先生が急に傾く。



何だかそこだけスローモーションに見えたような気がした。




と思ったら、安田が先生を茂みの中へ落としドシャっと豪快に倒れた先生。




……時が止まる。




ユラユラと立ち上がった先生は、全身泥まみれでなかなかパンチのきいた格好をしていた。



何か言おうと口を開いた先生の頭から葉っぱが1枚ヒラヒラと舞う。




ごめん、先生、我慢しようとしたんだよ。



「「ギャハハハ!」」

「許して、先生♩」

「安田ァ!!」



走って逃げた。


途中まで追いかけられたけど、おっさんが現役高校生に勝てるはずなく、どんどん小さくなってく先生を振り切って無事ゴール。




ゴール付近で待機してた先生や、たまたま居合わせた生徒が、なんだなんだ?と寄ってきたけど4人で笑うしかなかった。



怖さより楽しさの残る肝試しを初体験したよ。


< 89 / 182 >

この作品をシェア

pagetop