シンデレラタイム
「楽しそうだなお前ら!」
「楽しくねぇよ!」
「まあまあ。浅水だけ笑ってたのが俺的に悔しいかな~。」
「あの程度ならビビりませんよ。」
ちぇっと悔しそうな先生が急に傾く。
何だかそこだけスローモーションに見えたような気がした。
と思ったら、安田が先生を茂みの中へ落としドシャっと豪快に倒れた先生。
……時が止まる。
ユラユラと立ち上がった先生は、全身泥まみれでなかなかパンチのきいた格好をしていた。
何か言おうと口を開いた先生の頭から葉っぱが1枚ヒラヒラと舞う。
ごめん、先生、我慢しようとしたんだよ。
「「ギャハハハ!」」
「許して、先生♩」
「安田ァ!!」
走って逃げた。
途中まで追いかけられたけど、おっさんが現役高校生に勝てるはずなく、どんどん小さくなってく先生を振り切って無事ゴール。
ゴール付近で待機してた先生や、たまたま居合わせた生徒が、なんだなんだ?と寄ってきたけど4人で笑うしかなかった。
怖さより楽しさの残る肝試しを初体験したよ。